【梢枝】「………」
【涼一】「ん、どうした?」
【梢枝】「なんか、じっと見られてるとそれはそれで気が散るわね……」
【涼一】「じゃあどうしろっていうんだ」
【梢枝】「別にどうもしなくてもいいけど」
【涼一】「じゃあ文句言うな」
【梢枝】「文句なんて言ってませーん」
【涼一】「はいはい……あ、そこ振り付け違う」
【梢枝】「え?」
【涼一】「この『明日はきっとみんな帰ってくる』ってセリフのところ」
【梢枝】「あれ、そうだっけ」
【涼一】「そこは膝をついた感じでしゃがみ込むんじゃなかったか」
【梢枝】「どれ……あ、ほんとだ」
台本を眺めながら、先ほどの振り付けを確認するように、雨宮は再び立ち上がる。
【梢枝】「右から左に腕を下ろす……そのまま半歩前に……」
|